プレスリリース April 29, 2025

ドイツ銀行、2025年第1四半期において前年同四半期から39%の増加  28億ユーロの税引前利益を計上

利益の伸び率は、2桁の収益の伸び率およびコスト管理の成果を反映

  • 税引前利益は、2024年第1四半期から39%増加し、28億ユーロ
  • 純利益は、前年同四半期から39%増加し、20億ユーロ

2025年通年の目標に沿った主要財務比率

  • 税引後平均有形株主資本利益率(RoTE)1は、2025年の目標である10%超と比較して、11.9%に上昇
  • 費用収益比率は、2025年の目標である65%未満の範囲内で、61.2%

2025年第1四半期の収益の成長が、2025年の収益目標を下支え

  • 純収益は、前年同四半期から10%増加し、85億ユーロ
  • 純資金流入は、プライベート・バンクおよびアセット・マネジメント全体で260億ユーロ

2025年のコストガイダンスに沿ったコスト

  • 利息以外のコストは、前年同四半期から2%減少し、52億ユーロ
  • 営業関連以外のコストは64%減少し、93百万ユーロ
  • 調整済コストは2%増加し、51億ユーロ

2025年第1四半期における自己資本指標およびバランスシート指標は同水準で推移

  • 普通株式等Tier1(CET1)資本比率は、変動なく13.8%
  • レバレッジ比率は、2024年第4四半期と同じく4.6%

信用損失引当金は471百万ユーロ

  • 不良債権(ステージ3)に対する引当金は、前年同四半期から27%減少し、341百万ユーロとなり、ポートフォリオは予想どおり正常化
  • 正常債権(ステージ1およびステージ2)に対する引当金は130百万ユーロで、マクロ経済見通しの不確実性に関連するオーバーレイを含みます。

すべての事業において税引前利益が前年同四半期から増加

  • コーポレート・バンク:3%増加して632百万ユーロ
  • インベストメント・バンク:22%増加して15億ユーロ
  • プライベート・バンク:43%増加して490百万ユーロ
  • アセット・マネジメント:67%増加して204百万ユーロ

チーフ・エグゼクティブ・オフィサーのクリスティアン・ゼーヴィングは、「2025年第1四半期の業績に非常に満足しており、2025年の目標すべての達成に向けて順調に進んでいます。」とコメントしました。「収益の成長とコスト削減を組み合わせることによって過去14年間で最高の四半期利益を達成したことは、当行のグローバル・ハウスバンク戦略が機能していることを示しています。これにより、当行は、地政学的およびマクロ経済的環境が急速に変化する中でも、顧客をサポートできる非常に強い立場を築いています。」

ドイツ銀行(銘柄コードXETRA:DBGn.DB/NYSE:DB)は、本日、2025年第1四半期の税引前利益が28億ユーロとなり、前年同四半期から39%増となったことを発表しました。これは純収益の10%の増加および利息以外のコストの2%の減少に起因しています。税引後利益は、前年同四半期から39%増加して20億ユーロとなりました。

ドイツ銀行の目標比率は、2024年第1四半期と比較して著しく改善しました。税引後平均有形株主資本利益率(RoTE)1は、前年同四半期の8.7%から上昇して11.9%となり、当行の2025年通年の目標に沿って10%超えを達成しました。税引後平均株主資本利益率(RoE)1は、前年同四半期の7.8%から上昇して10.6%となりました。費用収益比率は、前年同四半期の68.2%から改善して61.2%となり、2025年通年目標である65%未満と一致しました。希薄化後1株当たり収益は、前年同四半期の0.69ユーロと比較して43%増加して、0.99ユーロに改善しました。

ドイツ銀行の各事業部門は、当行グループの収益性および目標比率に、以下のとおり貢献しました。

  • コーポレート・バンク:税引前利益は、税引後RoTE1が14.4%、費用収益比率が62%となり、前年同四半期から3%増加して632百万ユーロとなりました。
     
  • インベストメント・バンク:税引前利益は、税引後RoTE1が18.0%、費用収益比率が49%となり、前年同四半期から22%増加して15億ユーロとなりました。
     
  • プライベート・バンク:税引前利益は、税引後RoTE1が8.3%、費用収益比率が71%となり、前年同四半期から43%増加して490百万ユーロとなりました。
     
  • アセット・マネジメント:税引前利益は、税引後RoTE1が22.1%、費用収益比率が64%となり、前年同四半期から67%増加して204百万ユーロとなりました。

チーフ・ファイナンシャル・オフィサーのジェームス・フォン・モルトケは、「2025年第1四半期において、当行は2桁の収益の成長や継続的なコスト管理により、力強い収益モメンタムを実現しました。これは当行の一貫した戦略実行による恩恵を享受しているからです。すべての指標における強固なバランスシート(CET1資本比率13.8%を含みます。)は不安定な市場を乗り切る上で理想的な基盤を築き上げ、ドイツ銀行の収益性を今後数年間で次の水準に引き上げるための強固な基盤となっています。」と付け加えました。


グローバル・ハウスバンク
戦略の継続的な実行

ドイツ銀行は、2025年第1四半期も引き続きグローバル・ハウスバンク戦略を進展させました。これには、以下が含まれました。

  • 収益の伸び率:2021年以降、過去12カ月間の当行の複合年平均収益の伸び率は、2025年第1四半期末現在で6.1%となり、5.5%から6.5%の間としていた当行の目標の範囲内でした。プライベート・バンクおよびアセット・マネジメント全体での運用資産は、2025年第1四半期における260億ユーロの純資金流入を含めて、過去12カ月間に950億ユーロ増加しました。
     
  • 業務効率:ドイツ銀行は、2025年第1四半期において、25億ユーロの業務効率化プログラムをさらに進展させました。かかる施策には、ドイツにおける当行のプラットフォームの最適化および特に顧客対応以外の業務における従業員削減が含まれます。2025年第1四半期末現在、効率化施策の完了により実現した、または見込まれる費用削減は21億ユーロに達し、これはプログラム全体の削減目標額の約85%を占めています。これには、当行がこれまでの期間における再編、その他の従業員削減施策、雇用管理および社内異動による費用削減が寄与し、これまでに実現した約19億ユーロの削減額が含まれています。
     
  • 資本効率:ドイツ銀行は、2025年第1四半期において、データおよびプロセスの改善ならびに証券化取引によりさらに40億ユーロのRWAを減少させました。その結果、資本効率化施策によるRWA相当額の利益は累計280億ユーロに達し、既に、2025年末までに250億ユーロから300億ユーロとする目標範囲の上限に近い水準となりました。


収益:2桁の伸び率は戦略の実行を反映

純収益は、前年同四半期から10%増加して85億ユーロとなり、2025年通年で約320億ユーロとする当行の収益目標に沿っています。当行の各ビジネスにおける収益の推移は、以下のとおりです。

  • コーポレート・バンクの純収益は、前年同四半期から実質的に変動なく、19億ユーロとなりました。これは預金高の増加ならびに手数料およびフィー純収益の6%の増加は、預金マージンが前年同四半期よりも正常化したことにより相殺されたためです。コーポレート・トレジャリー・サービスの収益は、預金高の増加が預金マージンの減少を相殺したことにより、前年同四半期から1%増加して11億ユーロとなりました。機関投資家向けサービスの収益は、証券サービスの収益の伸びが機関投資家向けキャッシュ・マネジメントにおける預金マージンの減少を上回ったことにより、3%増加して473百万ユーロとなりました。ビジネス・バンキングの収益は、預金マージンの正常化により9%減少して321百万ユーロとなりました。ドイツ銀行は、ユーロマネーの2025年トレード・ファイナンス・サーベイにおいて、「大企業向けワールド・ベスト・トレード・ファイナンス・バンク」に、また、クリシル・コアリション・グリニッジの2025年サーベイにおいて、「ドイツのコーポレート・キャッシュ・マネジメント最優秀銀行」に選ばれました。
     
  • インベストメント・バンクの純収益は、2024年第1四半期から10%増加し、34億ユーロとなりました。債券および為替(FIC)の記録的な収益は、レバレッジド・デット・キャピタル・マーケッツにおける特定のポジションの一部売却および評価減の影響を含むオリジネーションおよびアドバイザリー(O&A)の収益の減少により一部相殺されました。このポジションの前年同四半期比での影響2を除くと、O&Aの収益は、ほぼ横ばいの手数料市場環境において前年同四半期から5%増加しました(出所:ディールロジック)。債券および為替(FIC)の収益は、17%増加して29億ユーロとなりました。これは、市場活動の活発化ならびに顧客エンゲージメントの増加を反映した金利および外国為替の両業務における堅調な成長に牽引されたものです。資金調達業務における収益も増加しましたが、これはターゲット・バランスシートの展開により純利息収益が増加したことが反映されています。オリジネーションおよびアドバイザリーの収益は8%減少して460百万ユーロ(前述の評価減を調整したベースでは5%の増加)となり、債券オリジネーションの収益の前年同四半期比21%の減少が、アドバイザリーの収益の前年同四半期比22%の増加および株式オリジネーションの収益の増加を上回りました。
     
  • プライベート・バンクの純収益は、前年同四半期から3%増加して24億ユーロとなりました。利息以外の収益は、戦略に沿った投資商品収益の堅調な成長により増加しました。手数料およびフィー純収益は5%増加して832百万ユーロとなり、一方、純利息収益は2%増加して15億ユーロとなりました。パーソナル・バンキングの収益は、貸出金収益の減少が投資商品収益および預金収益の増加を上回ったことに伴い、前年同四半期から2%減少して、13億ユーロとなりました。ウェルス・マネジメントおよびプライベート・バンキングの収益は、投資商品収益の増加に牽引され、前年同四半期から8%増加して11億ユーロとなりました。運用資産は、純資金流入60億ユーロが市場の動向および為替レートの変動による80億ユーロのマイナスの影響によって相殺されたことに伴い、2025年第1四半期末現在において6,320億ユーロとなりました。プライベート・バンクはユーロマネーの「2025年グローバル・プライベート・バンキング・アワード」において、「ワールド・ベスト・フォー・アントレプレナーズ」、「ワールド・ベスト・フォー・コマーシャル・リアル・エステート・アンド・ノース・アメリカ・ベスト・インターナショナル・プライベート・バンク」を含む15部門で受賞しました。
     
  • アセット・マネジメントの純収益は、前年同四半期から18%増加し、730百万ユーロとなりました。マネジメント・フィーは、主にアクティブ商品およびパッシブ商品の両方における平均運用資産の増加を反映して、8%増加して639百万ユーロとなりました。運用報酬および取引手数料は、オルタナティブ・インフラストラクチャー・ファンドからの運用報酬の継続的な認識を反映し、前年同四半期から2倍超に増加して37百万ユーロとなりました。一方、その他の収益は、保証の公正価値におけるプラスの変動およびトレジャリー資金調達費用の減少を反映し、54百万ユーロとなりました。純資金流入は200億ユーロとなり、これは主に戦略に沿ったパッシブ商品およびキャッシュによる追加の資金流入によって牽引されました。運用資産は、2025年第1四半期末現在において1兆100億ユーロとなり、2024年第4四半期末現在から20億ユーロ減少し、2024年第1四半期末現在からは680億ユーロ増加しました。


営業関連以外のコストが正常化し、2025年通年の見通しに沿ったコスト

2025年第1四半期の利息以外のコストは、前年同四半期から2%減少して、52億ユーロとなり、当行の2025年通年の見通しに沿っています。この推移は主に、営業関連以外のコストが予想どおり前年同四半期から大幅に削減されたことを反映したものです。

調整済コストは2%増加し、51億ユーロとなり、これには2025年第1四半期の当行の株価上昇により増加した株式報酬の要素に左右される報酬関連費用の増加が含まれます。2025年第1四半期末現在の従業員(常勤相当)は、2025年第1四半期において66名減少し、2024年第1四半期末現在からは636名減少し、89,687名となりました。これは、一部は当行の業務効率化プログラムに関連して、離職者が2025年第1四半期における戦略的雇用および内部雇用を上回ったためです。

営業関連以外のコストは、2024年第1四半期の262百万ユーロから64%減少し、93百万ユーロとなりました。これには、前年同四半期の166百万ユーロから減少して26百万ユーロとなった訴訟費用ならびに前年同四半期の95百万ユーロから減少して68百万ユーロとなった再編および退職費用が含まれます。


信用損失引当金は、マクロ経済の不確実性に関連するオーバーレイによって相殺されたポートフォリオの正常化を反映

信用損失引当金は、2024年第1四半期の439百万ユーロおよび2024年第4四半期の420百万ユーロと比較して471百万ユーロとなり、貸出平均残高の39ベーシスポイントとなりました。ポートフォリオのパフォーマンスが予想どおり推移したため、不良債権(ステージ3)に対する引当金は341百万ユーロとなり、前年同四半期から27%減少し、2024年第4四半期から18%減少しました。正常債権(ステージ1およびステージ2)に対する引当金は130百万ユーロとなり、これには米国の地政学的見通しおよびマクロ経済の見通しの不確実性に関連するオーバーレイならびに2025年第1四半期のマクロ経済の影響、ポートフォリオの影響およびモデル変更が含まれます。これは、2024年第4四半期のステージ1およびステージ2に対する引当金が6百万ユーロ、前年同四半期の純戻入れが32百万ユーロであったことと比較されます。


堅調な自己資本比率が株主への配当および事業成長を支える

2025年第1四半期の普通株式等Tier1(CET1)資本比率は、2024年第4四半期から変動なく、2024年第1四半期末現在の13.4%からは上昇して、13.8%となりました。堅調な留保利益を通じた有機的な自己資本の創出は、主にその他Tier1資本証券(AT1証券)のクーポン支払いの控除および配当性向50%を目指すとする当行のコミットメントを反映した将来の資本分配の控除により相殺されました。

2025年第1四半期末現在のレバレッジ比率は、2024年第4四半期末現在から変動なく、前年同四半期の4.5%からは上昇し、4.6%となりました。レバレッジ・エクスポージャーは、2024年第4四半期末現在の1兆3,160億ユーロおよび前年同四半期の1兆2,540億ユーロと比較して、1兆3,020億ユーロとなりました。

2025年5月22日に開催されるドイツ銀行の年次株主総会に向けて、取締役会および監査役会は、2024会計年度について前会計年度から50%増配の1株当たり0.68ユーロの現金配当の支払いを提案しています。これにより、最近開始された当行の750百万ユーロの自社株の買戻しプログラムを含め、2025年の資本分配合計は21億ユーロとなります。

2025年第1四半期末現在の流動性カバレッジ比率は、2024年第4四半期末現在の131%と比較して134%となり、規制要件である100%を上回り、余剰額は580億ユーロとなりました。2025年第1四半期末現在の質の高い流動性資産は、2024年第4四半期末現在の2,260億ユーロと比較して、2,310億ユーロとなりました。安定調達比率は、2024年第4四半期現在の121%と比較して、当行の目標範囲である115%から120%の範囲内の119%となり、余剰額は990億ユーロとなりました。

2025年第1四半期末現在の顧客預金は、2024年第4四半期から実質的に変動なく、2024年第1四半期の6,350億ユーロからは増加して、6,650億ユーロとなりました。


サステナブル・ファイナンス:2020年以降の取引高3は3,890億ユーロに到達

2025年第1四半期のサステナブル・ファイナンスおよびESG投資の取引高(DWSを除きます。)3は160億ユーロで、2020年1月1日以降の累積取引高は3,890億ユーロとなり、2024年末現在から3,730億ユーロ増加しました。

2025年第1四半期におけるドイツ銀行の各事業部門は、以下のとおり貢献しました。

  • コーポレート・バンク:サステナブル・ファイナンスの取引高は40億ユーロとなり、2020年1月1日以降のコーポレート・バンクの累積取引高を740億ユーロに引き上げました。
     
  • インベストメント・バンク:サステナブル・ファイナンスの取引高、サステナブル関連資本市場発行高およびマーケット・メイキングで120億ユーロを提供し、2020年1月1日以降の累積取引高は2,360億ユーロとなりました。
     
  • プライベート・バンク:ESG運用資産および新規貸出しは10億ユーロ増加し、2020年1月1日以降の累積取引高は690億ユーロとなりました。一任ポートフォリオ運用およびグリーンボンドの純資金流入は21億ユーロとなり、2022年第1四半期以来の最高額となりましたが、市場の下落による影響により相殺されました。

2025年第1四半期における主な取引は、以下のとおりです。

  • コーポレート・バンクは、ポルスカ・グルーパ・エネルゲティチュナS.A.(PGE)への29億ユーロのノンリコース・プロジェクト・ファイナンスにおいて、主幹事を務めました。発電容量1.5ギガワットの「バルティカ2」は、PGEおよびオーステッドの共同開発により現在ポーランドで計画されている最大規模の洋上風力発電プロジェクトであり、約2.5百万世帯の電力需要を満たすグリーン電力を生産する予定です。
     
  • インベストメント・バンク(O&A)は、金融機関による発行として初めてEUグリーンボンド基準に準拠したものとなる、ABNアムロの6年物上位優先EUグリーンボンドにおいて、共同主幹事を務めました。調達資金は、グリーンビルディングおよび再生可能エネルギー・プロジェクトに関して、EUタクソノミーに完全に準拠しています。
     
  • インベストメント・バンク(FIC)は、ベナン共和国への、最大507百万ユーロの無担保分割償還型タームローン・ファシリティ(最終償還期限は15年)に関して、単独主幹事および貸手を務めました。この貸付は、国際開発協会およびアフリカ貿易投資開発保険機構が提供する一次損失/二次損失を保証する仕組みの恩恵を受けており、革新的な金融商品を活用してベナン共和国の経済成長および社会的進歩を支援しています。

1 本項目およびその他のGAAP以外の財務的測定尺度の詳細については、2025年第1四半期補足財務データ(英文)の15頁から21頁の「GAAP以外の財務的測定尺度」および2025年3月31日付の収益報告書(英文)の50頁から54頁の「GAAP以外の財務的測定尺度」をそれぞれご参照ください。
2 2025年第1四半期の(90)百万ユーロおよび2024年第1四半期の(22)百万ユーロ
3 コーポレート・バンク、インベストメント・バンク、プライベート・バンクおよびアセット・マネジメント

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